2016年の為替相場はどうなる?
【著者】 児山 将2015年の為替相場は119.73円でスタートし高値は6/1につけた125.85円。安値は1/16の115.83円終値は120.19円でした。
チャートに出来事を書き込んでいくと以下のようになります。
年初からのスイスフランショックに始り、ギリシャショック、チャイナショックが立て続けに発生し、8月24日のNY時間にはフラッシュクラッシュのように株・為替が短時間で大暴落を引き起こす事態となりました。
実に波乱要因が多かった一年といえそうです。
2016年は、米国の利上げの回数と大統領選挙が為替市場の焦点となりそうです。
そこで、各金融機関の2016年の為替相場見通しをまとめましたのでご覧下さい。
証券会社 | アナリスト | 方向性 | ターゲット |
---|---|---|---|
野村證券 | 池田雄之輔 | 円安 | 135円 |
大和証券 | 木野内栄治 | 円安 | 135円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 植野大作 | 円安 | 127円 |
三井住友銀行 | 山口曜一郎 | 円安 | 127円 |
新生銀行 | 政井貴子 | 中立 | 125円 |
三菱東京UFJ銀行 | 内田稔 | 円高 | 112円 |
BNPパリバ証券 | 丸山俊 | 円高 | 110円 |
JPモルガン | 佐々木融 | 円高 | 110円 |
東海東京証券 | 佐野一彦 | 円高 | 105円 |
ご覧いただくとお分かりですが、見事に『円安派』と『円高派』に分かれていることが分かります。
やはり、ドル円も120円まで上昇したことに加え、ついに米国の利上げも始まったことから意見が分かれることとなったようですね。
円安派の意見
円安派の意見をまとめると米国の利上げによる『日米金利差の拡大』という王道の意見が目立ちます。
円安派の米国の利上げ回数は3回以上ということですので、1度の利上げで0.25%ずつ利上げしていった場合に、米国のFF金利は1.25%まで上昇することになります。
また、一部ではドル円が下落した場合には日銀の追加緩和が期待され下値も限定的との見方もあるようです。
日本を代表する証券会社2社(野村、大和)が円安派で高値予想も一致しているところはおもしろいですね。
円高派の意見
一方、円高派の意見としては、過去の米国の利上げ後の値動きが総じてしばらく円高に転じていることを挙げています。
これは、非常に多くのアナリストが指摘している点であり、事実ドル円はすでに利上げ後から5円ほど円高となっています。
さらに、米国の経済指標の一部(シカゴPMIやISM指数)がリーマンショッ以降で悪い数字が続いており、今後の景気後退を示唆しているのではないかと予想しています。
また、2016年はアメリカは大統領選挙の年で、ドル高許容姿勢が変化する可能性があり、特にトランプ氏は半日の為に日本株には悪影響だとする意見もあります。
外資系金融機関の予想
上には日本の金融機関の予想を上げていましたが、海外勢の意見も見てみましょう。
UBS、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、RBCキャピタルマーケッツは円売りドル買い予想となっており、ゴールドマンサックスの予想ではドル円は130円までの円安を見込んでいるようです。
また、これらの金融機関はチャイナリスクで豪ドルが弱くなると予想しています。
バークレイズはユーロにもっとも弱気となっており、2016年は0.95までの下げを予想。ウォール街の中間予想は1.05となっているようです。
おもしろいところでは、サクソバンクFX証券の2016年大胆予想というところでユーロドルは1.23まで上昇すると書かれていました。
ドル円に関しては意見が分かれるものの、ユーロ米ドルに関しては、上昇を見込んでいる投資家の方が多いように思えます。
2016年は2015年以上に荒れ相場となりドル円の値幅も大きくなりそうですので、良いころで仕込むことができれば大きな利益となるかもしれませんね!